初回の通院について

2023年1月4日、我々はこの一年の最初の目標を達成しに不妊専門医の扉を叩いた。

初めての院内は、長期休み明けの影響も大きいとはいえ、想像以上の盛況ぶりに、まずは驚いた。

と同時に多くの仲間がいることに安堵した。

自分たちの年齢よりも若い人も歳上の人もバリエーションに富んだ夫婦で溢れていた。

開院して数年の清潔で、眺めの良い院内もすぐに気に入りここで治療を受けると決心した。(というより職場からも通えて実績もそこそこある病院はここだけであった。)

 

初診では自分たち夫婦の現状を、治療に必要な最低限の内容を聞かれ、これから頑張っていきましょうねなどと簡単に声をかけていただいてあっさりと終わった。

多くの患者を相手にしなくてはならないためドライな対応になるのは当然だが、意外だった。

気持ちが重くならずに済んで自分たちに合うスタイルだと感じた。

 

実際の治療に入るまでは、検査をする。

この検査は治療では無く、検査のため、自費であるが初っ端から4万円をとられて行先の険しさを案じた。

 

結果だが、私側には予想していたようなホルモン値の異常などはなかったのだ。これでは今まで通っていた婦人科と同じでないかと少し落胆した。

卵管の検査も聞いていた痛みに怯えたが、1分くらいで終わって技術の高さを伺えた。両側の卵管が無事に開通していた。

 

夫側も検査したが、とても不安がっていたのを覚えている。そして精子濃度、運動共に基準を満たしていなかった。

この直後から軽い食事療法とサプリメント(オメガ3、マルチビタミン、アルギニン、シトルリン)の摂取をさせた。

何より夫のメンタルが弱っていたため、効果が出そうなもの中から、すぐに出来ることから取り入れ、なんとか気持ちを落ち着かせることに専念した。

異常があるから治療しに来ているとわかっていてもやはり目に見えると辛いものがある。

 

そして、妻である私にもまだ異常が見つからないが、見えない異常があることを予感していると伝え、どちらが悪いなどとお互いを攻めないようにしようと励ました。

 

私達夫婦に初めて直面した大きな問題だったが、医療の力を信じて治療の第一歩を進み出した。